The International Journal of Wrestling Scienceという雑誌に「LEG ATTACK PROFICIENCY AND PHYSICAL FITNESS OF NATIONAL TOURNAMENT WINNERS AMONG JAPANESE MALE ELEMENTARY (U-12) AND JUNIOR HIGH SCHOOL WRESTLERS (U-15)」というタイトルで、我々の研究論文が公開されました。詳しくは、こちらのウェブサイト(INTERNATIONAL NETWORK OF WRESTLING RESEARCHERS)をご覧ください。この団体は89カ国500人以上の世界のレスリング研究者から成る団体で、日本のジュニアレスリングの研究結果が世界に発信されたことは、史上初かもしれません。日本語訳のタイトルは「日本の小学生(U-12)と中学生(U-15)の全国大会でメダルを獲得した男子レスリング選手におけるタックルの習熟度と体力・運動能力」です。
これらの研究でわかったことは、概ね以下のとおりでした。
①小学生の全国レベルの大会でメダルを獲得した男子レスリング選手は敏捷性に優れている。
②中学生の全国レベルの大会でメダルを獲得した男子レスリング選手は、敏捷性とタックルの習熟度に優れている。
③全国レベルの大会でメダルを獲得した小学生と中学生の男子レスリング選手の実際のタックルには、瞬発力と敏捷性が関与している。
今回の論文のデータからは上記のような傾向が明らかになりました。
従いまして、レスリングのトレーニングでは敏捷性、すなわち素早く動く能力や、爆発的に前方に踏み出す瞬発力を高めることが、競技大会で活躍することにつながる可能性が示唆されました。さらに、中学生ではタックルの習熟度が非メダリストに比べて高いことがわかりましたので、より一層、攻撃的な試合展開ができるトレーニングが求められることもわかりました。
この研究報告には限界がありますが、これらの知見がさまざまなチームで活用されれば幸いです。
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