· 

「第18回全国少年少女選抜レスリング選手権大会」について

 2014年3月8日(土),9日(日)は「第18回全国少年少女選抜レスリング選手権大会」にTEAM BISON'S by SENSHU UNIV.から2名の選手が出場し、結果は2名とも上位入賞はならなかった。

 今回の結果から見えた課題は、試合で勝つための「①体力的要素+②技術・戦略的要素+③精神的要素」の競技力のうち、①体力的要素の機能であるエネルギー系の筋力・敏捷性・持久性・パワー(瞬発力)の不足が見つかった。通常の勝つための練習では、レスリングのテクニックや実践に重きを置きすぎていたため、もつれた部分での粘り強さを発揮するための体力的要素の強化が欠けていた。今後は、もつれた際に粘れる力をつける体力トレーニングを考案・実行していくべきである。

 

 上位入賞はなかったものの、②技術・戦略的要素の部分では高く評価できる。通常の基礎的テクニックにプラスして、「相手をイメージした上での戦略」は完遂こそなかったものの、所々で部分的にできかけていたし、選手も戦略を完遂しようと心掛けた動きが多く見られた。この「できた」もしくは「少しでもできた」という感覚は、試合に出場した選手自身の自信になった(自己効力感が高まった)と感じる。さらには今大会までの過程の中で、「勝てるか負けるか」「できるかできないか」の葛藤の中で、不安と向き合いながらもその部分を越えられるよう、埋められるよう、集中したトレーニングの実践があった。この過程はレスリングのみで活きるものではなく、様々な場面での課題解決能力として活かすことができると感じた。確実に選手は成長しているし、成長は目に見えるほど大きく変化している。

 また、今大会終了時には保護者代表と打ち合わせを行い、様々な改善事項はあるものの、特に以下の点について具体的改善を行う必要があると現場サイドでは感じた。

①「勝つための練習」では、小学生4年次以上と3年時以下で分けて練習するべきでる。具体的には、小1と小6では言葉の理解度が異なるため、指導が不完全燃焼で終わる可能性が多い。そこを埋めるためには、レベル分けの練習方法を実施し、各年齢に応じた基礎的指導を実行していく必要がある。

②「保護者へのレスリング理論の徹底」。保護者向けセミナーを定期的に開催し、保護者がレスリング理論を学び、自宅で親が指導できる環境の提供を行うことが重要である。

 その他女子コーチの採用等の懸念事項はあるものの、直近で改善することができることは上記2項目だと考える。よりよい練習内容の提供と周囲のサポート体制の確立が、レスリングを通じた選手のキャリア発達に影響すると感じる。

2014.3.9 木村&林田